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柔道整復師のローカルルール

保険者のローカルルールを確認してみる

カテゴリー:関係法規

この記事は 約 4分54秒 で読めます。

ローカルルールとは?

ローカルルールの意味を調べてみると、Wikipedia(ウィキペディア)でわかりやすい解説がありました。

ローカルルールもしくは地方ルールとは、ある特定の地方、場所、組織、団体、状況などでのみ適用されるルールのことを指す。
Wikipediaより

柔道整復師の療養費の支給基準は厚生労働省の通知によって機能していますが、都道府県や保険者によって独自の基準を追加して運用している場合があります。

例として、患者照会は取り扱いの基準を定められていますが、保険者の裁量によって調査の厳しさが異なりますよね?

これが、ローカルルールに該当するかと思います。

業界で話題になったローカルルールとは?

ローカルルールとして大きな話題となったものとして、2009年に問題となった「日本郵船健康保険組合による療養費不支給処分の取り扱い」を取り上げたいと思います。

どういうものだったか簡単にまとめると「うちに療養費申請書出しても、問答無用で支給しないから!」というものです。

支給要件が厳しいというのはあっても、そもそも支払わないというのは今までありませんでした。

なぜ、日本郵船健康保険組合がこのような取り扱いをするようになったのか考えてみましょう。

保険者の独自基準による療養費不支給処分

前記事の【柔整と医師の併給について確認する】で解説したように、療養費の支給は療養の給付の補完的役割でした。

法的根拠をもう一度確認します。

保険者は、療養の給付等を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所、薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる。
健康保険法第八十七条(療養費)

上記条文を、日本郵船健康保険組合は次のように判断し柔道整復師の療養費を不支給としました。

「やむを得ないと認める特別な事情がないため」

う~ん・・・ちょっとわかりにくいですね。

では、日本郵船健康保険組合が考える「やむを得ないと認める」とは、どんな時でしょうか?

保険者の気持ちになって、思いつくものを書いてみました。

・いわゆる田舎で、近隣に医院がなく接骨院しかないため通院した。
・深夜に負傷、医院はどこも受付終了。知人の整骨院に無理を言って施術を受けた。
・外出中に負傷、痛みが強く動けない。運良く整骨院を見つけたため来院した。

いかがでしょうか?緊急性が高く医院に通院できない内容が多いですね。

日本郵船健康保険組合は、上記内容を支給要件と判断したのではないかと考えています。

仮に、この内容だけを支給基準にするなら、一般の外来患者はすべて不支給処分となるでしょう。

すべては柔道整復師の取り扱い次第です

この話題は、諸先輩方の過去の功績によって認められてる受領委任制度が、医院数の安定などにより必要性を改めて議論される中で起こったもので、業界だけでなく各保険者も注目するものでした。

最終的には、保険局医療課長通知で厚生労働省から下記の通知がありました。

-前略-
柔道整復施術療養費の支給決定の取り扱いに関し、他と異なる扱いを行うのは、国民が平等に給付を受けることができる健康保険制度の目的等から適切ではないことから、これらのことを踏まえ適切に対応するようお願いする。

この通知を受け、当該保険者は「取り扱いを改める」として、この話題は解決されています。

つまり、今回のローカルルールは「ちょっとやりすぎ」として判断されたんですね。

ただ、勘違いをしてはいけないのは、今回の通知はあくまでも「患者保護」という観点から発出されたものということです。

柔道整復師のためのものではありません。

今後、柔道整復師が誤った療養費の取り扱いを行えば、この話題になったローカルルールが本当に適用されるかもしれない・・・

そのことを改めて肝に銘じておかなければなりません。

業界側でのローカルルールは?

上記の解説は各保険者などによるものでしたが、柔道整復師側でのローカルルール(?)も聞いたことがあるかと思います。

「新人の開業者は、団体から請求額を制限される」とか「個人請求より社団日整のほうが請求が通りやすい」とか「療養費申請書の摘要欄を使用すると目立つから使わない」とか・・・

これ以上は書けませんが、本当に存在したのかさえ怪しい内容も多数あります。

ローカルルールというよりも、都市伝説に近い内容ですね。

詳しく知りたい人は、ぜひ諸先輩方に聞いてみて下さい。

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樋口 弘明

樋口 弘明

関西圏で合計9つの接骨院・整骨院に勤務し、施術のほか新人教育や療養費請求のレセプト処理、Webや紙媒体による広報など柔道整復に係る様々な事業を経験。現在は会社を設立し、業界に役立つ様々な情報やコンテンツを発信、提供する活動を実施している。

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