保険者の併診に対する審査について対策はありますか? | 柔塾【やわらじゅく】

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保険者の併診に対する審査について対策はありますか?

保険者の併診に対する審査について対策はありますか?

カテゴリー:Q&A

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保険者の併診に対する審査について

今回、N先生からご質問をいただきました。

はじめまして。

いつもホームページを拝見させていただいております。

栃木県で接骨院を営んでいるものです。

この度、併診(重複診療)について質問させていただきます。

昨今、保険請求が厳しくなっているのはご周知の通りだと思いますが、保険者の併診に対する審査がより厳しくなっていると先輩柔整師さんから耳にしました。

同日・同部位治療での保険請求の不可だけではなく、病院で1週間分のお薬を出してもらった場合も医師の管轄下にあるため、その間の整骨院での施術は併診扱いになり保険請求は不可になるようです。

セカンドオピニオンの風潮もあり、患者さんは何も知らず来院されます。

痛み止めの薬じゃ良くならないと、すがる思いで来院される患者さんに「その期間は保険が利かないから実費で」とはあまりに酷です。

何とか保険請求を通すことができる知恵があればご教授いただきたいと思います。

何卒よろしくお願い致します。

N先生、ご質問ありがとうございました。

今回の質問内容は、業界の枠を超えた非常に複雑なものかと思います。

あくまでも現行制度に則り、私の知り得る限りの情報で回答いたしましたのでぜひ参考にしていただければと思います。

↓ ↓ ↓

昨今、保険請求が厳しくなっているのはご周知の通りだと思いますが、保険者の併診に対する審査がより厳しくなっていると先輩柔整師さんから耳にしました。

まず併診についてですが、N先生の問い合わせの中で(重複診療)と補足されておられるように、多くの場合は医師が他科または他の医師への診療を実施する際に、医師同士の間で使用する用語として用いられることが一般的です。

柔道整復師と医師との医療行為の重複を「併診」と表現することは多くありません。
(上記を「併診」と表現しているのは柔道整復師がほとんどです)

今回のケースでは「併給」という用語を用いられます。

柔道整復師と医師との医療行為を「併診」と表現しない理由の1つとして、健康保険制度の位置付けによるものがあります。

つまり、療養費の支給(柔道整復師)は療養の給付(医師)の補完的役割として機能しており、同等の立場とはいえないためです。

その他の理由としては、柔道整復師には診断権がないため「診」と表す用語に該当しないという考えです。

同日・同部位治療での保険請求の不可だけではなく、病院で1週間分のお薬を出してもらった場合も医師の管轄下にあるため、その間の整骨院での施術は併診扱いになり保険請求は不可になるようです。

上記については前述した「併給」に当てはめて考えると、算定不可に該当するものとなります。

また上記は最近になって制定されたものではなく、療養費の支給基準として長年定められているものです。

つまり、以前から療養費の支給対象外に該当するものです。

よく「厳しくなった」という意見を聞きますが「ごまかせなくなった」と表現したほうが理解しやすいのではないかと思います。

セカンドオピニオンの風潮もあり、患者さんは何も知らず来院されます。痛み止めの薬じゃ良くならないと、すがる思いで来院される患者さんに「その期間は保険が利かないから実費で」とはあまりに酷です。

お気持ちは非常によくわかります。

柔道整復師が地域医療を担う立場として貢献するには、あまりにも適応範囲が限定されている制度だと私も感じております。

しかし、この部分については一考を要するものでもあります。

現在、柔道整復師は保険施術に適用しない施術範囲について自費施術にて取り扱っていますが、その自費施術における施術費は提供者(柔道整復師)側で自由に設定できるものです。

極論をいえば10円でも無料でも問題ありません。

一方、療養費の場合は必ず一部負担金を受け取る必要があり、減免または超過しての徴収は違反行為です。

費用にだけ限定して議論をするなら、保険施術よりも自費施術のほうが柔軟性が高いとも判断できるため、健康保険が利かないことが必ずしも患者にとってデメリットとはいえないことになります。

この「自費施術を10円(無料)で提供する」というのはあくまでも一例です。

実際には自費施術を受けるための環境や設備費、人件費、施術能力の獲得までにかかった費用等を反映させて施術費を決めなければなりません。

現行制度では、療養費ですべての施術範囲を適用することはできないため、価格ではなく価値を伝え患者の傷病に合わせた施術を提供することが重要と考えております。

何とか保険請求を通すことができる知恵があればご教授いただきたいと思います。

厳しい表現となってしまいますが、現行制度では「赤信号を何とか青信号にできないか」という程に困難なものです。

定められたルールを個人レベルで変更できるであれば、それはルールとして機能しておりません。

そして、ルールから逸脱した行為は当然に罰せられることとなります。

N先生の問合せを実現するには現行制度の改革から実施する必要があり、それには業界が一致団結し声を大にして活動しなければなりません。

ただし「義務を果たさず権利だけを主張する」ような状態では、何の改善も期待できません。

昨今の療養費の厳格化(負傷原因の必須や領収書など)は、現場の(一部の)柔道整復師の行為が原因と言っても過言ではないためです。

これは保険治療に限った話しではありません。

交通事故治療や、近年盛んになっております自費治療においても同じ事です。

行き過ぎた行為は必ず是正され、必要以上の制限が課せられる可能性もあります。

ルールは会議室から変わるのではなく、現場から変わっていくのだ。

とお考えいただき、地域医療に貢献いただければと思います。

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樋口 弘明

樋口 弘明

関西圏で合計9つの接骨院・整骨院に勤務し、施術のほか新人教育や療養費請求のレセプト処理、Webや紙媒体による広報など柔道整復に係る様々な事業を経験。現在は会社を設立し、業界に役立つ様々な情報やコンテンツを発信、提供する活動を実施している。

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