接骨院・整骨院 経営

行政や保険者が怪しい施術所を探すための9つの基準

怪しい施術所の9つの基準

人によって異なります

「自分にとって優良な接骨院、整骨院とはどんなものですか?」

こんな質問をされた場合、どのようなことを思い浮かべますか?

もちろん、現在の自分の地位や環境によって違いはあるかと思いますが「柔道整復師」「患者」「行政、保険者」の3つに分類して考えてみました。

柔道整復師の場合・・・院が繁盛している、快適な院環境で優秀なスタッフが在籍など
患者の場合・・・高度な施術を提供してくれる、先生の愛想が良く雰囲気の良い院など
行政、保険者の場合・・・柔道整復師法や受領委任取扱いを遵守しているなど

いかがでしょうか?

それぞれの思惑が感じ取れる内容となりましたが、共通している点は「自分にとって有益で価値があること」が前提であることが分かります。

行政や保険者が考える9つの調査基準とは?

今回注目すべきは、行政や保険者にとって優良とする接骨院、整骨院の基準です。

行政や保険者の場合、優良院を探すというよりも不正または違反行為を見つけるのが本来の目的となります。

では、どのような基準で優良ではない院を見つけるのでしょうか?

大きく9つに分類してまとめてみました。

①いつも同じ曜日・同じ時間帯に同じ顔ぶれの患者が来院している。

これは、長期にわたって患者が来院していることが考えられるため「長期施術」として調査する可能性があります。

②資格者と患者の会話から、整形外科にも通っている内容が聞こえてくる。

これは、同負傷に関して柔道整復師と医師へ医療費の同時支給は認められませんので「併給」として調査する可能性があります。

③「負傷名をつけないといけないから・・・」と無理に痛めた理由を聞いてくる。

これは、原因が明らかではない負傷に対して療養費を適応させる行為と考えられるため「負傷原因改ざん」として調査する可能性があります。

④「今日から負傷に関連した部位も施術していきましょう」と言われる。

これは、一定期間の施術後に無理に部位の転帰を適用させる行為と考えられるため「負傷部位改ざん」として調査する可能性があります。

⑤「健康保険の方から書類郵送されたら持ってきて下さい。」の張り紙がある。

これは、保険者の患者照会に関して都合の良い内容で返信させる行為と考えられるため「患者照会改ざん」として調査する可能性があります。

⑥施術の内容が変わっても、窓口で払う金額がいつも一緒である。

これは、本来受け取るべき窓口料金を受け取っていないと考えられるため「定額徴収」として調査する可能性があります。

⑦院長以外にも施術担当のスタッフが数人在籍している。

これは、柔道整復師免許を所持していない従業員が在籍していると考えられるため「無資格者施術」として調査する可能性があります。

⑧看板やチラシに健康保険や自費施術を大々的にPRしている。

これは、柔道整復師法にある広告の制限に抵触していると考えられるため「広告の制限違反」として調査する可能性があります。

⑨施術所に管理登録されているはずの資格者の姿を見かけない。

これは施術所としての機能を果たしていないと考えられるため「名義貸し」として調査する可能性があります。

-----------------------------

以上が行政または保険者の調査項目とされる部分かと思います。

療養費の取扱いに関しての項目が多いですが、柔道整復師法に関するものも含まれています。

仮に上記に近いものがあったとしても、正しく取り扱っていることを示せるのであれば何の問題もありませんのでご安心下さい。

柔道整復師は、法規や受領委任の規定などで何らかの違反をしてないか行政と保険者から常に監視されていると言っても大げさではありません。

この機会に、改めて自分の院をチェックしてみるのもいいかもしれませんね。

なお、今回取り上げた内容の具体的な解説と対策方法はメルマガで無料配信しておりますので、ぜひご登録下さい。

メルマガ登録はこちらです!

ABOUT ME
樋口 弘明
柔道整復師。関西圏で合計9つの接骨院・整骨院に勤務し、施術のほか新人教育や療養費請求のレセプト処理、Webや紙媒体による広報など柔道整復に係る様々な事業を経験。現在は会社を設立し、業界に役立つ様々な情報やコンテンツを発信、提供する活動を実施している。