不正請求とは?
近年、不正を行った柔道整復師はテレビや新聞などのメディアを通じて頻繁に報道されるようになりました。
この「不正」というのは、健康保険を利用し療養費を不正に請求したことを指します。
代表的な不正請求として、下記の3つに分類できます。
①架空請求
これは、患者として来院したことのない人を来院したことにして架空に請求したものです。
②付増請求
「水増し」とも言われますが、通院していない日を通院したことにして、日数を増やして請求したものです。
③振替請求
単なる肩こりや疲労を負傷原因のある外傷として不正に請求をしたものです。
最近の不正請求一覧
療養費の支給に対して保険者の調査が強化される中、上記で解説した不正請求以外にも様々な不正内容が発覚しています。
その一部を下記に挙げてみます。
実際に施術を行った部位と異なる部位を施術したものとして療養費を不正に請求していた。
後療を行ったにもかかわらず、初検を行ったものとして振り替えて療養費を不正に請求していた。
施術所以外の場所で行った施術について、不正に療養費の請求を行っていた。
自費施術を希望し自費により受療したにもかかわらず、保険施術したとして施術録に不実記載し、二重に療養費を不正に請求していた。
初検時において、患者に対し、施術に伴う日常生活等で留意すべき事項等が施術録に未記載であり、請求の要件を満たしていないにも拘わらず初検時相談支援料を不当に請求していた。
施術内容が未記載で請求の根拠が確認できないにも拘わらず不当に請求していた。
柔道整復師の資格を有しない従業員に指示をし、柔道整復師が施術したとして不正に請求していた。
一部負担金の受領に関して、受領委任の取扱規程15に定める一部負担金相当額の徴収を行っていなかった。
報酬を得る目的で、実際には勤務を行っていないにもかかわらず、療養費の請求のため施術管理者の名義を貸すことに同意し、かつ、名義を貸していた。
施術所標榜時間の間の昼の休憩時間に施術を行ったものを療養費支給申請書の摘要欄に21時に行ったと虚偽の記載を行い、時間外加算を不正に請求していた。
個別指導の際、施術録に追加又は訂正しないよう指示していたにも拘わらず、意図的に施術録(整復・施術等の施術経過・処置の欄)に書き加え改竄していた。
まだまだありますが、療養費の取り扱い全般に対して取り締まられていることがわかります。
不正内容はインターネット上で公開されます。
不正請求を行った柔道整復師の情報は、各厚生局のホームページにて閲覧することができます。
また、内容については不正に関する内容だけでなく、接骨院・整骨院の所在地や院名、柔道整復師の実名など多くの情報が公開されています。
もちろん、悪事に手を染めた柔道整復師に対しては厳しい処分を下すべきではありますが、まるですべての柔道整復師が不正を働いているように伝わるのは非常に残念なことです。
このままでは、接骨院・整骨院の社会的信用度が低下しかねません。
業界が一丸となることはもちろんですが、資格者一人一人が不正撲滅の意識を高めていただきたいと思います。