関係法規

柔道整復師の罰則はどんなものがあった?

柔道整復師の罰則

柔道整復師の関係法規、覚えてますか?

柔道整復師として業務を行うにあたって、法に違反をすれば罰が与えられます。

罰則については、学生時代に関係法規で学びました。でも、ちょっと忘れやすい内容かもしれません・・・普通に業務していれば何ら問題ないわけですから、しかたがないですよね。

ですが、せっかくの機会なので再確認しましょう!

罰則は様々なものがありますが、今回は接骨院・整骨院での業務に直接関係するものを解説したいと思います。

試験不正や免許虚偽、登録機関に関する罰則は省きますので注意して下さい。

50万円以下の罰金に処せられるもの

医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行なつてはならない。
(法第15条違反)

これは、柔道整復師で勤務している場合は何の問題ありません。

しかし「雇用している無資格者に施術行為をさせる」というものは、その無資格者が上記に違反することになります。

柔道整復師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。柔道整復師でなくなった後においても、同様とする。
(法第17条の2違反)

これは守秘義務ですね。

柔道整復師は、患者と信頼関係を築くほど個人情報も知ることになります。無意識に必要以上ことを第3者に言わないよう注意しましょう。

30万円以下の罰金に処せられるもの

厚生労働省が命じた業務の停止命令に違反した者
(法第8条第1項違反)

これは、柔道整復師法第4条の欠格事由により免許を取り消し又は期間を定めてその業務の停止を命じられたのに従わない場合に科せられるものです。

ちなみに、法第4条の欠格事由は、心身の障害、麻薬、罰金以上の刑などでしたね。ぜひ再確認してみて下さい。

医師の同意を得ずに脱臼又は骨折の患部に施術した者
(法第17条違反)

応急処置は同意なくても問題ありませんが、その後の施術については医師の同意が必要です。

「保険請求しなければ、同意なくても大丈夫」というのは違反ですので、きちんと同意をもらってくださいね。

この罰則があるのを忘れがちな先生もいますので、ぜひ覚えておいて下さい。

都道府県知事によりなされた、業務に関して必要な指示に違反した者
(法第18条第1項違反)

これは、衛生上害を生ずるおそれがあり、必要な指示をしたのに従わない場合に科せられるものです。

衛生上害を生ずるとは「施術の方法や対象が不適当、または疾病を伝染する恐れがある場合」と関係法規に記載してあります。

都道府県の行う施術所の使用制限や禁止処分、構造設備の改善命令、衛生上の措置を構ずべき旨の命令に違反した者
(法第22条違反)。

これは読んだままですね。

言うこと聞かない場合に科せられる罰則です。

広告の制限に違反した者
(法第24条違反)

普段の業務違反で一番話題になるのが、この広告の違反だと思います。

これについては解説したい項目が多いので、別の機会に解説しようと思います。

施術所の開設、休止、廃止、再開の届出をしなかった者、又は虚偽の届出をした者
(法第19条違反)

意外と「そんなんあった?」と言われるのが、この届け出不備による罰則です。

ちなみに、届け出の期限は10日以内ですので、忘れずに提出して下さいね。

都道府県知事が、必要があると認めるときに、施術所の開設者若しくは柔道整復師に対し求める必要な報告をせず、又は虚偽の報告をした者又は同項の規定による職員が施術所に立ち入り、その構造設備や衛生上の措置の実施状況を検査するのを拒み、妨げ、若しくは忌避した者
(法第21条第1項違反)

簡単に説明すると「報告しない、検査させない」場合に科せられるものです。

何か調査などを求められた場合は、逃げずに義務を果たさないといけないということですね。

はり師には、ほかにも罰則がある

上記が柔道整復師法に定められた罰則規定ですが、はり師には下記の様な罰則も定められています。

【30万円以下の罰金に処せられるもの】
はり師は、はりを施そうとするときは、はり、手指及び施術の局部を消毒しなければならない。
(法第6条違反)

柔道整復師も、衛生面は特に意識して取り扱うことが重要だと思います。

ABOUT ME
樋口 弘明
柔道整復師。関西圏で合計9つの接骨院・整骨院に勤務し、施術のほか新人教育や療養費請求のレセプト処理、Webや紙媒体による広報など柔道整復に係る様々な事業を経験。現在は会社を設立し、業界に役立つ様々な情報やコンテンツを発信、提供する活動を実施している。