複数の患家に往療を行う場合は?
場合によっては、同じ日に複数の患者に対し往療を行うこともあるかと思います。
この場合の算定方法はどうなっているでしょうか?
2戸以上の患家に対して引き続き往療を行った場合の2つ目以降のの患家に対する往療距離の計算は、柔道整復師の施術所から改めて計算するのではなく、それぞれ先順位の患家の所在地を起点とするものとしています。
ただし、先順位の患家から次順位の患家へ行く途中で、その施術所を経由するときは、第二患家への往療距離は、その施術所からの距離で計算することになります。
いずれにしても、往療距離の計算は最短距離となるように計算する必要があります。
また、往療の距離は施術所の所在地と患家の直線距離によって算定します。
患家までの道のりが一方通行が多く面倒な場所であったとしても、直線で算定することとなります。
往療は距離に限界があります。
片道16kmを超える往療については、往療を必要とする絶対的な理由がある場合に限り算定できるとし、単に患家の希望により16kmを超える往療をした場合の往療料は、全額患者負担となります。
現在では多数の医療機関が存在する中で「この先生でないといけない」という理由だけでは説明不足ととられます。
療養費の留意事項では16㎞と記載してありますが、実際には8㎞を超えた時点で保険者から何らかの理由を求められるかと思います。
なぜ貴院でないといけないのかを明白に説明できないと、算定は難しいでしょう。
同じ場所への往療は、一人分です。
例えば、自宅の祖父母ともに急性の腰痛症となり往療を行った場合はどうなるでしょうか?
療養費の留意事項では「同一家屋内の2人目以降の患者を施術した場合の往療料は、別々に算定することはできない」と記載してあります。
つまり、同じ場所の場合は2人でも5人でも往療料は1人分ということになります。
余談ですが、保険者は真に安静を必要とする患者が同一家屋に複数人いたことを疑問視するケースもあります。
本当に柔道整復師が取り扱うべき環境だったのかを詳しく説明する必要があるでしょう。
往療についての解説は、もう少しだけ続きます。