2020年2月28日、全国都市会館にて『第16回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会』が開催されました。私も実際に傍聴をしてきました。
主な議論は、前半はこれまでの柔道整復療養費検討専門委員会の議論の整理の各項目の状況等について、後半は新たな議論の項目についてとなっています。
公式の資料等は厚生労働省のホームページで確認できます。
厚生労働省
第16回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会配布資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000204312_00003.html
せっかくなので、箇条書きで簡単にまとめましたものをご報告しますので参考にしてください。
※あくまで個人の備忘録です、参考程度にしてください。
※走り書きのため、内容に多少差異があります。
※発言された委員名は伏せています。
※業界人は少しでもこの委員会に興味を持ってください。
※ぜひ厚生労働省のHPで資料や議事録もご覧ください。
【前半】これまでの議論について
委員及び事務局の発言
5ページについて合意ではなく別の案を提案していたはずだが、なぜ合意になっているのか?
87箇所中31箇所しか面接確認は実施されていない、あまり進んでいない状況
有識者として出席している方が柔道整復療養費排除よりの発言をするのはいかがなのか
施術所は一人で経営している方も多い、これ以上作業が増えるのなら何か対価をいただきたい
参考資料について保険者によって支給不支給に差異があり施術者団体として意見を述べた、時期早々であったと理解し今後話し合いたい
訂正文の提出について検討したい
違反者には5年ではなく永久追放など罰則の強化も必要だと考える
患者を罰するのではなく取扱を不正する施術者への罰則強化が重要だと考える、これまで複数の付帯事項がなされて6年で640億の現状がある、更なる付帯事項ではなく別の方法はいかがか?
1部位から負傷原因を記載しても悪意ある柔道整復師は部位数に関わらず不正をしてくる、労力の負担に対する貢献は少ないと言える
電子請求について全国一斉は困難であり一部の地域でモデル事案として開始いただきたい
患者が何らかの確認を取るということで合意したはずで既に実施されるべき事項のはずだがなぜ遅れているのか?今すぐすべき
審査会は施術者に対して実施させるもので、患者に対して実施させる施策を必要なのでは?
領収書を渡しても医療通知書を出しても請求内容は詳細まではわからない、もう2ー3年疑問している話しなのでいい加減決めませんか?
人が足りないから、と言いながら対価があるならやるという発言が矛盾しているのでは?
判断に迷う事例について昨年9月末に収集完了しているはずだが発表が遅すぎないか?
参考資料ついて健康保険法87条を曲げるような意見を出してきたことが非常に遺憾である、どう言った経緯についてお聞きしたい
参考資料について話し合いの余地などない、現場は混乱しているので訂正文など出していただき、厚生労働省も指導の対象として動くつもりなのか?
電子請求についてルールを先に決めてからシステムを構築しなければ混乱になる
広告について施行されたタイミングで違反者には受領委任取扱も中止にしていただきたい
広告ガイドラインが施行されたと同時に第8章に違反者の情報提供をされる旨を追記いただきたい
負傷原因を1部位目から記載することをはっきりさせたい、現状1部位請求での相違が3割もあることを確認している
問題のある患者への対応も追記いただきたい、あはきは慢性疾患であり柔道整復師と同じ枠で考慮すべきでない、保険者が患者へ面談し保険者が判断できる規定を希望する
患者が請求を確認できる、1部位目から確認できるこの2つを必ず折り込むということで電子請求を進めてはどうか
施術者は協定と契約を結んで業務をし、多くの人は真面目に取り組んでいる
個別事案で考えず大きな枠で議論すべき
柔道整復師が全てまとめて不正しているのではない、医療費抑制に貢献し活動している
全国約52300院を資格者数で割ると1.4人になる、作業項目が増えるなら対価が必要
毎回署名は大変と過去の議論で決着がついたはず
判断に迷う事例について施術者団体を連携して公表をサポートしたい
患者署名は委任の署名であり来院確認の署名ではないことを改めて強く主張したい
柔道整復師は患者の怪我の場面を見たわけではなく患者からの聞き取りにて記載しているが、照会で更なる詳細を求めてくる事は問題であり、あくまでも聞き取りにて成り立っている項目について範囲を超えた照会は問題ではないのか?
領収書と明細書の発行で部位の付け増しや来院状況などは把握できているはず
留意事項1の8について、どのように解釈すればいいか?
合意について30年4月について合意の一旦のまとめとさせていただき記載している
合意について様々な議論の経過を終えて31年度中にまとめると議事録にて記載
239件の事例について個別案件が多く精査したいと考えておりますので早急には対応したい
参考資料について提出について把握はしておらず、内容についてどのような場面を指しているのか不明だが87条についてその通りである
留意事項1の8について個別の事案に合わせて考慮すべきもの
【後半】新たな議論について
議題となった各項目は下記サイトよりご確認ください。
厚生労働省
柔道整復療養費検討専門委員会の議論の整理の各項目の状況について
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000600674.pdf
委員及び事務局の発言
複委任について、非常に問題なものであり無視できない
厚生労働省は最近の不正事件について事前に把握していたのか?
民法上の委任ということで成り立っているが、これは保険者として拒否できるのか?
複委任が違反でないなら、今は野放しの状態なので何らかの規定などを示していただきたい
受領委任制度は行政が指導監督できることがメリットであるが機能してあらず、意味を成していない
今後保険体制は厳しくなり、患者の利便性などだけで物事を決める環境ではなくなっている
不正対策につながる料金改定にしていただきたい、初検時相談支援料について施術計画の確認など要件を追加するのはいかがか?
あはきの往療の距離加算について包括化がなされるかと思うが柔道整復師も準じてはいかがか?
長期施術に該当する患者に対して施術計画書と施術録を見比べたい
黒い施術所や団体は積極的に排除していきたい
初検時相談支援料の要望については既に実施した後に50円を算定している
今回の事件について、複委任とは関連していないと理解しているためここで議論を進めるものではない
学校教育において施術計画に係る学びがあり通常の柔道整復師であれば現場で実施している
前回の最後に質問しましたが、受領委任制度についてあはきは医師の同意が必要、柔道整復師は同意が不要であるのはなぜか?
従来より取り扱っていることを理由に柔道整復師の受領委任制度が成り立つのは納得いかない
柔道整復師にも同意書が必要にしてはどうか
一般論として施術所に問題がある場合は情報提供を集め指導などを実施している
複委任について明記はなく、過去の経緯に双方により成り立っているものと理解している
さいごに
今回は、第16回柔道整復療養費検討専門委員会の議論内容と備忘録を公開いたしました。
ぜひあなたの接骨院・整骨院経営にお役立てください。