接骨院・整骨院で患者さんを施術する前に、毎回負傷の状態を聞き取りしたり検査したりするかと思います。この聞き取りや検査に対して1回目と2回目に療養費を請求できる算定項目があります。この2回目に算定できるのが再検料です。今回は、再検料の基本的な取り扱いと注意点を解説します。
※初検料については下記のページで解説しています。
https://ywrjk.com/hoken/syoken/
私自身が整骨院勤務で疑問になったこと、療養費の支給基準に基づいて厚生労働省や保健所、業界団体の有識者に確認を取った内容ですので、きっと参考になるはずです。
ポイントだけ知りたい方は【目次】をご覧いただければ要点はつかめるかと思います。
再検とは2回目の柔道整復行為を指す
再検とは文字通り「もう一度検査すること。」です。療養費の支給基準には下記のように記されています。
再検料の算定は、初回後療日に限る。
療養費の支給基準 柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準 注6
初回後療日という表現がわかりにくいですが、ざっくりと「2回目の施術」と覚えておけば大丈夫です。
再検料の算定料金について
再検料の算定料金は400円となります。(2019年6月現在)
再検料は、平成30年度における柔道整復療養費の改定時に引き上げられたのが最新となります。これまでの経緯を15年ほど遡ると下記の通りになります。
改定時期 | 改定内容 | 料金 |
---|---|---|
平成30年 | 再検料の引き上げ | 320円 → 400円 |
平成26年 | 再検料の引き上げ | 295円 → 320円 |
平成25年 | 再検料の引き上げ | 270円 → 295円 |
平成18年 | 再検料の引き上げ | 240円 → 270円 |
平成14年 | 再検料の引き下げ | 250円 → 240円 |
算定できる条件があります
その他の算定項目と同様に、再検料にも算定するための条件があります。療養費の支給基準には下記のように記されています。
再検料は、初検料を算定する初検の日後最初の後療の日のみ算定できるものであり、2回目以降の後療においては算定できないこと。
療養費の支給基準 柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項 第4(1)
前述していますが2回目の施術にだけ算定できるものですので、その他の施術に算定することはできません。
医師から後療を依頼された患者、既に保険医療機関での受診又は他の施術所での施術を受けた患者及び受傷後日数を経過して受療する患者の場合は、初検料を算定した初検の日後最初の後療の日に算定できること。
療養費の支給基準 柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項 第4(2)
これは「整復・固定・施療料を算定できない負傷に関しても、初検後の2回目は再検料を算定していいよ」ということを表しています。
あまり深く考えずに「再検料は初検料を算定した次の日の施術に算定できる。」と覚えておけばいいでしょう。
月をまたいでも算定可能です
例えば、8月15日に新規患者が来院したとします。
この患者さん、8月は結局15日の1回来院のみで、そのまま日数が経過し9月12日に2回目の来院をしてきました。
期間が空いた理由を聞くと「痛かったが受付時間に間に合わず来れなかった。」とのこと、このような患者さんは一定数おられます。
わかりにくいので、図で表すとこのようになります。
この場合、8月15日当時と同じ負傷・原因で施術を再開する場合は、最終通院日より1ヶ月以上経過していないので初検料は再度算定することはできません。
しかし実質は2回目なので、9月12日は初検日後の後療日として再検料は算定することができます。
ただし、この場合は1ヶ月分レセプトをまたいで請求することになります。
入力ミスではないことを保険者へ示すために、療養費申請書の摘要欄に「前日は初検のみ。」などと記載すると無用なトラブルは防げるかと思いますので、忘れないようにして下さい。
この書籍は読んでおくべきです
今回の引用でもご紹介している【療養費の支給基準】という書籍は、健康保険で施術を実施している接骨院・整骨院にとって必読書ですので、まだお持ちでない場合はぜひ購入をお薦めいたします。
一般の書店にはなかなか販売していませんので、amazonや楽天ブックスでご確認ください。
さいごに
今回は、再検料の基本的な取り扱いと注意点について解説いたしました。
ぜひあなたの接骨院・整骨院経営にお役立てください。