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整復・固定・施療料の取扱いを確認する

整復、固定、施療料とは?

整復、固定、施療料は、初検時に初回処置を行った際に算定することができます。

名称は3種類ありますが、それぞれ処置をした負傷に合わせて分類されます。

整復料:骨折、脱臼の場合の処置に対する料金
固定料:不全骨折の場合の処置に対する料金
施療料:捻挫または打撲、挫傷の場合の処置に対する料金

実際の現場では、3種類をまとめて「整・固・施料(せいこせりょう)」と略して呼ぶ場合がありますね。

各算定料金は負傷に応じて変わるため、少々複雑です。

詳しくは、下記の表をご覧下さい。

 整復・固定・施療料について(2016年4月現在)

骨折整復料
上腕骨、前腕骨、大腿骨、下腿骨9,000円
鎖骨、肋骨、手根骨、足根骨、中手骨、中足骨、指(手・足)骨4,100円

 ※関節骨折又は脱臼骨折は、骨折の部に準ずる。

不全骨折固定料
骨盤、大腿骨7,200円
上腕骨、前腕骨、下腿骨、膝蓋骨5,500円
鎖骨、肋骨、胸骨3,000円
手根骨、足根骨、中手骨、中足骨、指(手・足)骨2,800円
脱臼整復料
股関節7,000円
肩関節6,200円
肘関節、膝関節、手関節、足関節、指(手・足)骨2,800円
顎関節1,800円

 ※脱臼の際、不全骨折を伴った場合は、脱臼の部に準ずる。

捻挫及び打撲(挫傷)施療料
捻挫760円
打撲(挫傷)

 ※不全脱臼は、捻挫の部に準ずる。

初回処置料を算定するための基準は?

この初回処置料について「算定するために必要な条件や基準はあるのか?」と問い合わせをいただくことがありますが、留意事項等に明文化されているわけではありません。

あえて基準を設けるのであれば「後療時に実施する施術内容以外で、初回で対応すべき施術を実施した場合に算定する」が適切かと思います。

算定できない4つの条件

なお、整復、固定又は施療の必要がない場合は、算定することはできません。

対象となる主な内容は、下記のようなものです。

①医師から後療を依頼された患者

これは「医師がすでに初回処置を施した後に施術を開始するため」と考えるとわかりやすいかと思います。

②既に保険医療機関で受診を受けた患者

これは「医院に通院中に通院先を変えたため」と考えるとわかりやすいかと思います。

③既に他の施術所で施術を受けた患者

これは「同業種に通院中に通院先を変えたため」と考えるとわかりやすいかと思います。

④受傷後日数を経過して受療する患者

これは「1ヶ月以上経過して、同負傷にて通院再開」と考えるとわかりやすいかと思います。

レセコンに情報入力時に忘れやすく、不備返戻となりやすい項目ですので気をつけて下さい。

算定時の留意事項

負傷日から数日経過した初検に対し初回処置料を算定した場合、算定した理由を保険者からの照会される場合があります。

また算定しない場合でも、その根拠を摘要欄に記載することが適切です。

おおよそ目安としては、7日ほど経過している初回処置の場合は上記対応をされることを推奨いたします。

ABOUT ME
樋口 弘明
柔道整復師。関西圏で合計9つの接骨院・整骨院に勤務し、施術のほか新人教育や療養費請求のレセプト処理、Webや紙媒体による広報など柔道整復に係る様々な事業を経験。現在は会社を設立し、業界に役立つ様々な情報やコンテンツを発信、提供する活動を実施している。